スタートアップがIPOを目指す過程では、事業だけでなく組織そのものも大きく変化していく。
創業初期のスピード重視の体制から、再現性や統制を重視する組織へと移行していくことは、多くの企業に共通する流れである。
しかし、その変化は単純な「規模拡大」ではない。
意思決定のあり方、役割分担、評価軸など、組織の前提そのものが変わっていく。
本記事では、IPOを目指すスタートアップで起こりやすい組織の変化について整理する。
フェーズによって変わる組織の前提
スタートアップの組織は、企業フェーズごとに求められるものが大きく異なる。
- シード期:仮説検証とスピード
- アーリー期:再現性の構築
- ミドル以降:統制と持続性
創業初期は役割の境界が曖昧で、意思決定もトップダウンで進むことが多い。しかしIPOを視野に入れる段階では、属人的な判断だけでは組織が機能しなくなる。

役割分担が「個人」から「構造」へ変わる
創業期では、CXOやマネージャーが複数の役割を兼任することが一般的である。
しかし組織が拡大するにつれて、責任範囲は明確化され、役割は構造として定義されていく。
これは単なる分業ではなく、意思決定の質を高めるための変化でもある。
- 誰が決めるのか
- どの範囲まで任せるのか
- どの情報を基準にするのか
といった点が整理されていく。

意思決定のスピードと統制のバランス
IPO準備期に入ると、スピードと統制のバランスが重要なテーマになる。
意思決定を遅くすることが目的ではなく、判断の前提を共有し、組織としての再現性を高めることが求められる。
そのために必要なのは、制度やルールを増やすことではなく、意思決定の基準を言語化することである。
組織変化は「成長の副作用」ではない
組織の変化は、成長の結果として自然に起こるものではない。
むしろ、意図的に設計しなければ停滞の原因になることも多い。
IPOを目指すスタートアップでは、事業戦略と同じくらい組織設計が重要になる理由はここにある。

まとめ
IPOを目指す過程では、組織のあり方が大きく変わる。
スピード重視の体制から、再現性と統制を備えた組織へと進化していくことが求められる。
重要なのは、変化に対応することではなく、
どのフェーズで何を変えるべきかを理解しておくことである。
